みなさまこんにちは!EvCArS高橋です。
電気自動車の最重要パーツでもあるリチウムイオンバッテリー。そのバッテリーの性質によってその車の性能そのものが変わってくるといっても過言ではありません。
異なるバッテリーをさまざまな車種と関連づけながら見てみましょう。
- LMOバッテリー
初代日産リーフ(ZE0型)に搭載されたバッテリーはLMO(マンガン系)で、その最大の強みは高い安全性です。日産が電気自動車の量産を開始した際、安全性は最優先事項でした。このモデルから13年以上が経過しましたが、バッテリーが原因の火災事故は未だに報告されていません。それほど高い安全性を誇ります。
しかしながら、このバッテリーの欠点は、性能と特に寿命の制約があり、これが電気自動車の寿命についての誤ったイメージを形成している原因の一つです。
2. NMCバッテリー
次に、現行の日産リーフ(ZE1型)にはNMC(ニッケル・マンガン・コバルト)バッテリーが搭載されており、これは多くのBEVに使用されています。このバッテリーの最大の利点はバランスの取れた性能です。LMOバッテリーと比べると寿命が改善され、エネルギー密度も向上し、より長い距離を走行できるようになりました。しかし、コバルトなどのレアメタルの使用に関する環境的な懸念から、コバルトフリーのバッテリー開発が進行中です。
3. NCAバッテリー
次に、主にテスラ社のモデルSやXに使用されているのがNCA(ニッケル・コバルト・アルミニウム)です。これは高いパフォーマンス性能を追求するテスラの要求に応え、ニッケルを主成分とすることでエネルギー密度を高めたバッテリーです。
これがテスラ車が市販車最高水準の航続距離を実現している理由の一つです。
弱点はコバルトの使用に伴うコストと環境面、そして安全性の観点で問題がある点です。
しかしテスラは独自のバッテリーマネジメントシステム技術を強化することで、安全性という課題に対処しています。
4. LFPバッテリー
最後に、2021年以降のテスラモデル3、YのRWD、そしてBYDとここ最近多くのEVに使われているのがLFP(リン酸鉄系)バッテリーです。現在、多くのバッテリーサプライヤーがLFPの研究開発を進めています。
このバッテリーはコスト面(コバルトフリー)と供給の安定性において優れており、さらに高い安全性能を誇ります。
ただし、エネルギー密度が比較的低いため、他のバッテリーが搭載されたEVと同じ航続距離を実現するにはより大容量のLFPバッテリーを搭載する必要があります。
テスラやBYDはこの課題に対処するために新しい技術を取り入れました。(詳細は別途ブログにて)
また、エネルギー密度の向上にも取り組んでおります。
5. 終わりに
いかがでしたでしょうか?
それぞれのバッテリーの特性を理解することで、電気自動車の性能だけでなく、メーカーの設計思想までもがわかってしまいます。
電気自動車に興味がある方や、購入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
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文/営業担当 高橋